歯が割れた

根管治療を受けた歯は、内部を大きく削っているため強度が落ち、時間が経つと歯根が割れてしまうことがあります。
通常、このような状態になると「歯を丸ごと抜く」ことが第一選択になりがちです。

しかし、大臼歯のように根の本数が多く、割れている根と割れていない根がはっきり分かれている場合には、「分割治療」という選択肢が考えられます。
分割治療とは、割れた歯根だけを取り除き、割れていない根を残して噛む機能を回復させる治療法です。必要なところだけを取り除き、活かせる部分はできるだけ残す。歯を「なるべく抜かない」ための最後の手段のひとつと言えます。

分割治療は、割れた歯や根に問題がある歯を「可能な限り残す」ための選択肢のひとつです。
しかし、すべての歯に適応できるわけではなく、治療にはメリットとデメリットの両面があります。

☑歯をまるごと抜かずに済む可能性がある
問題のある歯根だけを切除し、残せる歯根を活かします。抜歯せずに済むことで、ご自身の歯を少しでも長く使える可能性が広がります。

☑本来の歯に近い噛み心地を維持しやすい
残した歯根を利用して被せ物（ブリッジなど）を装着するため、インプラントや入れ歯に比べて、ご自身の歯に近い感覚で噛めるケースがあります。

☑入れ歯・インプラントを避けられる場合がある
条件が整えば、残した歯根を支えにブリッジで対応できることもあり、「すぐにインプラントには進みたくない」「入れ歯はできるだけ避けたい」という方にとって、治療の選択肢を広げることにつながります。

☑歯の寿命が短くなる場合がある
支える歯根の本数が減るため、1本あたりの負担が増えます。その結果、長期的には再び割れてしまったり、最終的に抜歯に至るケースもあります。

☑高い専門性が求められる治療
「本当に分割治療で対応できるのか」という適応の見極めから、歯根の切除、残した歯根の形態修正、被せ物の設計まで、精密な診断と専門的な技術が必要になる治療です。

☑歯ぎしり・食いしばりの影響を受けやすい
強い力で噛みしめるクセがある方は、残した歯根にも大きな負担がかかり、再度割れてしまうリスクがあります。必要に応じて、マウスピース（ナイトガード）などで負担を軽減する対策が必要です。

歯が割れた場合、治療法は歯の状態によって大きく異なります。
完全に抜歯が必要なケースもあれば、健康な歯根が残っていれば「分割治療」によって歯を残せる可能性もあります。

実際に、「抜歯しかないと言われたが、本当に他に方法はないのか」と、
セカンドオピニオンとしてご相談に来られる方も少なくありません。

分割治療は、割れた部分のみを取り除き、残せる歯根を活かして噛む機能の回復を目指す治療です。
ただし、すべての歯に適応できるわけではないため、慎重な診断が必要となります。

当院ではマイクロスコープを用いた精密な診査・診断を行い、
「できるだけ抜かずに、少しでも長く使える治療」をご提案しています。

他院で抜歯を勧められた場合でも、歯を残せる可能性があるかどうか、
一度ご相談ください。

岡野歯科医院では、すべての治療にマイクロスコープ（歯科用顕微鏡）を使用し、見える精密治療を徹底しています。
わずかな段差や隙間も見逃さず、再発を防ぎ、長く安心して使える治療を提供することを医院の基本方針としています。具体的な取り組みを説明します。

院長の岡野は15年以上前からマイクロスコープ治療を手がけるパイオニアです。また、日本顕微鏡歯科学会認定医の資格も有しています。

さらに、難易度の高いミラーテクニックを駆使し、視野・角度を自在に操り、他院では再現が難しい精密処置を実現しています。