記事概要
むし歯が神経まで達して「根管治療が必要です」と言われたものの、費用がいくらかかるのか心配ではありませんか?他の歯科医院での費用と比較検討している方も多いでしょう。実は、根管治療の費用は保険診療で行う場合と自由診療(保険適用外)で行う場合で大きく異なります。本記事では、根管治療の一般的な費用相場を保険診療・自由診療別に解説し、それぞれの治療内容や成功率の違いについても説明します。長期的な視点で見た費用対効果や、当院が自由診療のみで根管治療を行っている理由についても触れますので、ぜひ参考になさってください。

全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡学会認定医
歯科医師岡野 眞
1根管治療とは何か?
まず根管治療とは何かを簡単におさらいしておきます。根管とは歯の根っこの中を通る細い管のことで、中に歯の神経や血管(歯髄組織)が通っています。むし歯が深く進行し歯髄まで細菌感染を起こすと、歯髄炎を起こして激しい痛みが生じたり、根の周りに膿(膿瘍)ができたりするため、感染した歯髄を取り除いて管の内部をきれいに洗浄・消毒する必要があります。この歯の神経を抜いて内部を消毒する治療が「根管治療」です。適切に根管治療を行えば歯を抜かずに済む可能性が高まり、自分の歯を長く残すことにつながります。
根管治療の流れは一般的に次のようなステップで進みます:
- 局所麻酔を行い(神経が生きている場合)、むし歯で侵された部分を削って歯冠部に穴を開ける
- 細菌に感染した歯髄(神経)を専用の器具で丁寧に除去・清掃する
- 根管内を薬剤で洗浄・消毒し、薬を詰めて密閉する
- 最後に土台(コア)を入れて被せ物(クラウン)で歯を補填・修復する
このように根管治療は歯を救うための大切な処置ですが、高度な診断と治療技術が必要になる難しい治療でもあります。では、根管治療にかかる費用は具体的にどの程度になるのでしょうか?次に、保険診療の場合と自由診療の場合の費用相場を見てみましょう。
2根管治療の費用相場:保険診療 vs 自由診療
根管治療の費用は保険を使うどうかで大きく変わります。また、治療する歯の種類や本数、治療の難易度によっても費用は増減します。ここでは保険診療と自由診療それぞれの場合の一般的な費用目安を解説します。
保険診療の根管治療費用
保険適用で根管治療を受ける場合、自己負担額は比較的安価に抑えられます。目安として3割負担の場合、前歯で約2,000~5,000円、小臼歯で約4,000~7,000円、大臼歯(奥歯)で約5,000~10,000円程度が根管治療1本あたりの自己負担費用の相場です。前歯は根管が1本と構造が単純なため比較的安く、小臼歯・大臼歯は根管が複数あり複雑なため費用がやや高くなります。
保険診療の費用に含まれる内容: 初回の診察料やレントゲン撮影、麻酔、歯髄の除去、根管内の消毒、充填材での密封といった一連の処置が含まれます。保険診療では国の定めた治療法や材料で必要最小限の治療が行われるため、費用負担は低く抑えられます。
追加でかかる費用: 保険診療の場合でも、根管治療後に被せるクラウン(被せ物)の費用は別途かかります。保険内で選べるクラウン(銀歯など)であれば比較的安価(数千円程度)ですが、ジルコニアや金合金などの自費の素材を選ぶと別料金になります。また、非外科的歯内療法で治らなかったり、膿が再発した場合は外科的歯内療法が必要になり追加の処置費用が発生します。根管治療も保険診療内で使える材料や処置には制限があるため、難しい症例では保険内では十分な効果が得られないケースもある点に注意が必要です。
自由診療(保険適用外)の根管治療費用
自由診療で根管治療を受ける場合、費用は全額自己負担となります。その代わり使用する材料や機器、治療法は保険より制限が少なく、各医院が独自に治療費を設定します。一般的には歯1本あたり数万円~十数万円程度(例えば7~15万円前後)が自由診療の根管治療費用の相場となっています。前歯よりも奥歯のほうが根管の数が多く難易度が高いため費用が高くなる傾向があります。
ただし自由診療の場合、歯科医院によって費用設定に大きな幅があります。歯1本あたり20~40万円程度になるケースもあります。マイクロスコープやCT、特殊な薬剤(MTAセメントなど)を駆使する高度な根管治療では高額になる傾向があります。十分な治療時間、適切な機材や材用を使えるので、治療精度が上がり再発リスクの低減が期待できるのが自由診療の特徴です。
自由診療の費用に含まれる内容: 各院によって異なりますが、初診時の精密検査(CT撮影など)やラバーダムやマイクロスコープの使用料、特殊な根管充填材(MTA)の材料費、ファイバーコア(土台)などが治療費に含まれている場合があります。保険診療より治療時間をとったり、特殊な機材や材料を使うため、その分費用は高額になります。治療前に費用の内訳や含まれる処置内容について、歯科医院に確認しておくと安心です。
以上が費用面での概要です。では、なぜここまで保険診療と自由診療で費用差が生じるのか? その理由となる治療内容や質の違いを、次の章で比較してみましょう。
3保険診療と自由診療は、ここまで違う!治療内容・成功率の比較
費用の差は、単に歯科医院の儲けや設定の違いというだけでなく、保険診療と自由診療それぞれの治療の中身の違いによって生じています。保険適用の根管治療と自由診療の根管治療では、使える機材・材料、施術にかけられる時間、そして治療の成功率に至るまで大きな差があります。ここでは主な違いをポイントごとに整理してみましょう。
- 治療の成功率: 最大の違いは治療成功率(再発せずに歯を長持ちさせられる確率)です。保険診療の根管治療は使用できる器具・薬剤や治療時間に制限があるため精密さに限界があり、成功率はおよそ50%程度(再発リスク約半分)といわれます。一方、自由診療では最新の機器や高度な技術を駆使できるため90%以上の高い成功率が期待できます。実際、歯科先進国アメリカでの根管治療成功率は90%近くに達しますが、日本では約50%ほどしかないという報告もあり、この差には後述する治療時間・機材・治療技術の違いが大きく影響しています。
- 使用する機器(視野の確保): 保険治療では、肉眼や拡大鏡(ルーペ)を頼りに手探りで根管内を処置する場合が多いです。根管治療以外の保険診療でも拡大鏡は使われますが、やはり肉眼主体の処置には限界があり、特に根管治療では狭く複雑な根管内の細菌や感染物質を見落とすリスクがあります。自由診療では多くの医院でマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を導入しており、最大30倍程度まで視野を拡大し強力な照明で根管内を照らしながら処置を行います。肉眼では見えない微細な部分まで確認しながら感染源を除去できるため、格段に精度の高い治療が可能になります。マイクロスコープの導入には高額な費用と習熟が必要なため、残念ながら日本では保険診療の現場にまだ普及していませんが、自由診療ではこうした先進機器を積極的に活用することで治療の質を飛躍的に高めることができます。
- 感染対策(ラバーダム等): 根管治療では処置中にいかに患部を無菌的に保ち適切な消毒剤を使えるかが成功の鍵となります。自由診療の場合、標準的にラバーダム防湿(薄いゴムシートで治療する歯以外を覆い、唾液による細菌混入を防ぐ措置)を使用します。ラバーダムを装着することで治療中に唾液や細菌が根管内に入らず、また消毒剤が他の部分に漏れるのも防げるため、無菌的で安全な処置が可能です。一方、保険診療ではラバーダムの使用は必須ではなく、全く使わずに治療を行う歯科医院も少なくありません。ラバーダム無しではどうしても唾液中の細菌で根管が再汚染されるリスクが高まり、適切な消毒剤を使えなくなるので、治療後の再感染・再発率にも影響してしまいます。
- 使用する器材・材料: 細菌に侵された歯髄を除去する際に使うファイル(細い針状の器具)や、根管を充填する材料にも違いがあります。保険診療ではステンレス製ファイルが一般的ですが、硬く弾性がないため湾曲した細い根管の深部まで届かず汚染物質を取り残すことがあります。自由診療ではニッケルチタン製ファイルのような柔軟で折れにくい器具を使い、複雑な根管の隅々まで清掃する歯科医院が多いです。また根管内の最終的な充填剤についても、保険ではガッタパーチャというゴム状の材料しか使えません。ガッタパーチャ自体に殺菌効果はなく、歯科医の技量次第では微小な隙間が生じ、そこで細菌が繁殖して根管が再感染する恐れがあります。自由診療では症例に応じて様々な薬剤を使い分けられ、たとえばMTAセメントのように高い殺菌効果と密封性を持つ最新の材料を用いて根管を封鎖することで、再感染リスクを大幅に減らすことが可能です。このように、使用できる材料や機材の選択肢を自由診療では増やすことができます。
- 治療にかけられる時間・回数: 保険診療では診療報酬の制約上、1回あたりの治療時間を限られることが多いため(一般的な治療は1回30分程度)、根管治療は複数回に分けて進めるのが通常です。根管の本数や根管の複雑性にもよりますが、1本の歯の根管治療に3~4回(期間にして数週間~1ヶ月程度)通院が必要になることが多く、難しいケースではさらに回数が増えることもあります。一方、自由診療では1回の治療時間を長く確保し、平均1~2回の通院で集中的に根管治療を完了できるケースもあります。例えば当院でも、1回あたり約1~2時間かけて徹底的に処置を行うことで可能な限り少ない回数で治療を終えられるよう努めています。通院回数が少なく治療期間が短く済むことは、身体的・時間的負担が軽減される大きなメリットといえるでしょう。
- 被せ物の精度:根管治療後の被せ物の精度が根管治療の予後に影響することは意外に知られていません。根管治療後に入った被せ物精度が悪いと、歯と被せ物とのつなぎ目に歯垢が溜まり、その歯垢は何をやってももう落とせなくなります。そうすると、そこにむし歯ができ細菌が根管に入り込み再感染することが分かっています。保険の被せ物は、精度を考えずに作られることが圧倒的に多く、精度を上げることを大事にしている医院で自由診療で被せ物を作ると精度良く被せ物が入り、つなぎ目に歯垢が溜まりにくくなりむし歯の再発が抑えられ根管への再感染を防ぐことができます。成功した根管治療の状態を維持するためには重要なことなのです。
以上のように、保険診療の根管治療と自由診療の根管治療では治療の質や内容にこれだけの違いがあります。まとめると、保険診療のメリットは何といっても費用負担が少ない点ですが、その反面「歯を治すための最低限の処置」に留まり再発防止や仕上がりの質までは求められないというデメリットがあります。実際、保険診療で根管治療を受けた方の中には「痛みが完全に取れなかった」「しばらくしてまた痛み出した」という経験をお持ちの方も少なくありません。一方で自由診療のメリットは、費用は高額になるものの「高度な機器と技術によって治療の成功率を上げ、更に再発リスクを抑え、成功を追求した治療」を受けられることです。ご自身の「歯をどれだけ長持ちさせたいか」といった希望によって、どちらを選ぶべきか判断することになるかもしれません。
4長い目で見ればどちらが安い?再発リスクと将来的な費用
ここまで費用と治療内容の違いを見てきましたが、「それでもやっぱり費用は抑えたい…」というお気持ちはもっともだと思います。保険診療で数千円で済むならその方が得に思えるかもしれません。しかし長期的な視点で考えると、必ずしも保険診療の方が安上がりだとは言い切れないのが根管治療の難しいところです。
再治療・抜歯のリスクと費用: 前述の通り、保険の根管治療は約半数が数ヶ月~数年以内に再発してしまう可能性があります。一度処置した歯が再び痛んだ場合、もう一度根管治療(再根管治療)を行うことになりますが、再治療は初回よりも感染が広がって難易度が上がり、費用も高くなる傾向があります。それでも再治療で改善しなければ、最終的に抜歯せざるを得なくなるケースもあります。抜歯になれば、その歯を補うためにインプラントやブリッジ、入れ歯といった補綴治療が必要になります。中でもインプラントは1本あたり30~100万円程度と非常に高額な自己負担費用がかかります。さらにインプラントは外科手術のリスクや定期的なメンテナンス費用も生じ、人工物である以上いずれ寿命が来て再度治療や交換が必要になるかもしれません。つまり、せっかく保険で安く済ませても再発して抜歯・インプラントとなれば結果的に非常に高い出費やリスクを招く可能性があるのです。
自由診療は将来的なコストパフォーマンスに優れる: 以上を踏まえると、「将来的なトータル費用を抑えたいなら根管治療は最初から自費診療で受けるべき」というのが結論になります。初回の根管治療で精密かつ確実に感染を除去し再発リスクを最小限にしておけば、その歯を長期間使い続けることができ、再治療や抜歯のリスクを大幅に減らせます。自由診療の高い成功率はまさに「将来の出費を抑えるための先行投資」と言えるでしょう。逆に、費用面だけで保険診療を選んでしまい、短期間で再発→抜歯となれば、歯を失うダメージに加えて経済的負担も何倍にも膨れ上がってしまいます。もちろん全ての保険治療が失敗するわけではありませんし、症例によっては保険の範囲でも問題なく治る場合もあります。しかし「二人に一人は失敗する」とも言われる現状では、大切な歯を確実に残したいと願うのであれば自由診療による根管治療を検討する価値は大いにあるでしょう。
5当院で自由診療の根管治療を受けるメリット
最後に、当院(岡野歯科医院)における根管治療の特徴について簡単にご紹介します。当院ではすべて自由診療での歯科治療を提供しており、保険診療による根管治療は行っておりません。これは「歯の治療には手を抜ける治療は全く無く、大事な歯を残すために自分の出せる全ての技術を出し切る治療を行いたい」というポリシーによるものです。自由診療のみの提供となるため費用はどうしても保険治療より高額になりますが、その分以下のようなメリットがあります。
- マイクロスコープやCTを駆使した精密治療: 肉眼では見えない部分もしっかり確認しながら処置を行うため、細菌感染の取り残しを極力ゼロに近づけます。徹底した洗浄・消毒で再発リスクの低減に努めています。
- ラバーダム防湿の徹底: 根管治療では全症例でラバーダムを使用し、治療中の細菌混入をシャットアウトしています。無菌的な環境で処置することで成功率を最大限に高めます。
- 高品質な材料の使用: 必要に応じてMTAセメントなど最新の根管充填剤を使用し、緊密に封鎖することで再感染を防ぎます。被せ物も清掃性・耐久性に優れたクラウンを提供し、治療後の歯を長持ちさせます。
- 経験豊富なドクターが担当: 根管治療の経験が豊富な歯科医師がカウンセリングからアフターケアまで一貫して担当します。難症例にも対応できる知識と技術で、安心してお任せいただけます。
当院では患者様一人ひとりの「歯を残したい」「再発させたくない」という思いに寄り添い、丁寧に治療計画を立てております。根管治療に関する不安や費用のご相談にも十分な時間をかけてお答えしますので、少しでも気になることがあればお気軽にお問い合わせください。
6まとめ
「根管治療の費用」は保険診療と自由診療で大きく異なり、保険適用なら数千円~1万円程度、自費なら数万円~数十万円と幅があります。費用だけ見れば保険診療は魅力的ですが、その範囲では最低限の処置しか行えず、使える材料・機器・治療時間などの制限があるため再発リスクが高いのが現状です。実際、日本の根管治療成功率は約50%とされ、二人に一人は再治療が必要になるとも言われています。一方、自由診療の根管治療は費用負担こそ大きいものの、高度な技術と設備により成功率90%以上を期待でき、再発しにくい治療が可能です。将来的な抜歯や高額なインプラント治療を避けるためにも、初めから質の高い根管治療を受けておくことは長い目で見れば賢明な選択と言えるでしょう。
大切な歯を少しでも長く残すために、治療法や費用について納得いくまで検討することが大切です。当院では保険診療は行っておりませんが、その分自由診療で最高水準の根管治療を提供しております。セカンドオピニオンも受けていますので、根管治療をご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。当院への来院予約やお問い合わせはお電話でお願いいたします。あなたの歯の健康を守るため、スタッフ一同全力でサポートいたします。ぜひ安心してご来院ください。
当院は自由診療となっております。以下に治療費を掲載いたします。
※各種クレジットカードでお支払いいただけます。
カウンセリング料金 ¥11,000
・顕微鏡による、むし歯・歯周病検査など
・レントゲン撮影
CT撮影料金 ¥11,000
通常、CT撮影は別途 33,000円がかかりますが、初回のみ11,000円で撮影します。
全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡歯科学会認定医
根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞






