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Vol.58 上顎大臼歯の根分岐部と口蓋根に大きな膿がみられたケース

2026年6月19日

被せ物をしているが、まだ歯の神経の治療されていない上顎大臼歯に大きな膿がみられました。CT画像では、特に根分岐部と口蓋根に大きな膿の影がみられましたが、根分岐部にはパーフォレーションもなく、根管治療も全くされていない歯です。被せ物をした時には歯髄はまだ生きていたと思われますが、何らかの原因で歯髄が壊疽を起こし、膿ができたと考えられます。
根分岐部と口蓋根という外科手術による膿の除去が難しい場所に大きな膿がみられるので、非外科的歯内療法で膿を改善しなければならないケースです。外科手術が難しい場所の膿が治らなかった場合、抜歯になってしまうからです。

赤い矢印の先の上顎大臼歯に被せ物がしてあります。

この歯は、根管治療をされていない状態です。

上顎大臼歯の矢状断のCT画像です。頬側根の根の先と根分岐部に膿の影がみられます。

上顎大臼歯の冠状断のCT画像です。口蓋根の根の先と根分岐部に膿の影がみられます。

口蓋根と根分岐部の膿の外科手術は難しいです。

膿の改善をはかるべく、精密根管治療を行いました。

上の画像は、根管充填時のレントゲン画像です。

精密根管治療6ヶ月後の経過観察時の上顎大臼歯の矢状断のCT画像です。

矢印の先にあった膿の影が消失し、歯槽骨が再生しています。

精密根管治療6ヶ月後の経過観察時の上顎大臼歯の冠状断のCT画像です。

矢印の先にあった膿の影が消失し、歯槽骨が再生しています。

非外科的歯内療法で治らなかった膿は、必ずしも外科的歯内療法で対処することができるとは限りません。手術が難しい場合は、非外科的歯内療法がより重要になってきます。本ケースは、精密根管治療により外科手術が難しい口蓋根と根分岐部の膿が改善し、抜歯を避けることができました。

《根管治療の主な副作用》
ラバーダム防湿が必要になり、開口時間が長くなります。歯科用顕微鏡による精密根管治療は、肉眼や拡大鏡では見えないところ(治療が不十分であった部分)が見えるようになるため、なすべき治療が増えるので治療時間や治療日数がかかります。

《治療期間》
おおよそ、3〜5日(1回1時間の目算です。)

《治療費》
精密根管治療費(消費税込み):前歯132,000円、小臼歯154,000円、大臼歯 176,000円

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