下顎大臼歯の3本ある歯根の中の遠心舌側根のみに膿がみられました。遠心舌側根以外の根管は石灰化しており、根の周りには膿はみられませんでした。CT画像で確認したところ、遠心舌側根の根管は大きく湾曲しており根管治療がされていませんでした。遠心舌側根の根管の入り口は石灰化しており、分かりにくいため根管を見逃してしまっているようでした。精密再根管治療により改善できる可能性がありました。

下顎大臼歯の矢状断のCT画像です。

赤い矢印の先の遠心舌側根の周りに膿の影がみられます。
遠心舌側根の根管治療はされていませんでした。

下顎大臼歯遠心根の冠状断のCT画像です。遠心根は、頬側と舌側の2根がありました。

赤い矢印の先に根分岐部に及ぶ大きな膿がみられました。
遠心舌側根の根管は未治療で、細くかつ大きく湾曲していました。
また、膿の影は大きく歯根破折の可能性もあるケースです。

歯科用顕微鏡で確認したところ破折はみられませんでした。
膿の改善をはかるため精密再根管治療を行いました。
近心根と遠心頬側根の根管は石灰化しており、
膿の原因は未治療の遠心舌側根と思われました。
遠心舌側根の根管の入り口は石灰化で塞がっていました。
上の画像は、根管充填のレントゲン画像です。

精密根管治療1年後の経過観察時の下顎大臼歯の矢状断のCT画像です。
矢印の先にあった膿の影が消失し、歯槽骨が再生しています。

精密根管治療1年後の経過観察時の下顎大臼歯の冠状断のCT画像です。
矢印の先にあった根分岐部に及ぶ膿の影が消失し、歯槽骨が再生しています。
膿の原因は、未治療の遠心舌側根でした。石灰化により根管の入り口は塞がり、根管自体も細くまた、大きく湾曲していましたが、CTスキャンと歯科用顕微鏡により根管の清掃を成功させ、膿を治すことができました。
《根管治療の主な副作用》
ラバーダム防湿が必要になり、開口時間が長くなります。歯科用顕微鏡による精密根管治療は、肉眼や拡大鏡では見えないところ(治療が不十分であった部分)が見えるようになるため、なすべき治療が増えるので治療時間や治療日数がかかります。
《治療期間》
おおよそ、3〜5日(1回1時間の目算です。)
《治療費》
精密根管治療費(消費税込み):前歯132,000円、小臼歯154,000円、大臼歯 176,000円






