岡野歯科医院
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役立つ歯のコラム 役立つ歯のコラム

用語解説

「ステファンカーブ」

ステファンカーブとはむし歯の機序を示すグラフ

ステファンカーブとは、むし歯ができる仕組みを説明するためのグラフのことです。お口の中の歯垢のpH(ペーハー)の変化を表します。

ステファンカーブは、縦がpH値、横が時間軸で表わされます。要するに時間の経過とともに、口腔内のpHがどのように移り変わるかがわかるのです。

むし歯のはじまりは、お口の中に入ってきた糖分を使ってむし歯菌が酸を作ることす。
むし歯菌が作った酸は、歯を溶かします。これが『脱灰』です。むし歯菌が酸を産生し、歯の表面がpH5.5以下に下がると脱灰が始まります。この脱灰が始まるpH値を臨界pHと言います。

ステファンカーブ

pH5.5(臨界pH)を超えると脱灰が進む

通常は、お口の中は中性です。
しかし、物を食べるごとにむし歯菌が酸を出し始め、時間の経過と共にpHは下がり続け、歯が溶け始める臨界pH5.5を超えてきます。臨界pHを超え続けている間は、歯は溶け続けます。

しかし、唾液による緩衝作用(酸を中和する力)により、徐々にpHは上昇し、グラフのように臨界pHより上に上がります。お口の中のpH値が臨界pHより上にある間は、唾液により歯の表面の再石灰化が行われ、酸で壊れた歯の表面を修復してくれます。

私たちのお口の中は、上記のように、食べ物や飲み物がお口の中に入ってくると、『脱灰』と『再石灰化』を毎回繰り返しているのです。

このように、むし歯に対する防御機能を備えています。
それでは、なぜ、むし歯ができてしまうのでしょうか。

それは、自己修復能力を越えて、脱灰と再石灰化のバランスが崩れてしまうからです。
再石灰化(修復)が脱灰より優勢ならばむし歯にはならないのですが、脱灰が再石灰化(修復)より優勢になってしまえば、むし歯が進行してしまいます。

要するに、むし歯にならないようにするためには、脱灰より再石灰化を優勢になるようにすればいいのです。

間食

ステファンカーブとむし歯予防

例えば、以下のグラフを御覧ください。
一日の飲食の回数が多いと、再石灰化より脱灰が優勢になってしまいます。これはむし歯になりやすい悪い例です。

ステファンカーブ

それに対して、以下のグラフを御覧ください。
の一日の飲食の回数が少ないと、脱灰より再石灰化が優勢になり、むし歯が予防しやすくなる良い例です。

ステファンカーブ

このように、食習慣とむし歯の発生には関連があるということがステファンカーブを使うと理解しやすくなります。

岡野歯科医院では

歯磨き岡野歯科医院では、むし歯予防のためのブラッシング指導時に、ブラッシングの仕方のみならず食生活習慣指導も行います。正しいブラッシング方法を習得するのも重要ですが、歯垢を隅々まで落とすのは意外に難しく、どこかに歯垢を残してしまっています。ですから、ブラッシングのみで予防するのは難しく、患者さん一人一人の食生活習慣をチェックし改善していくことにより、よりむし歯予防が成功するよう指導しています。