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症例で見る精密根管治療

Vol.42 上顎第一大臼歯の分岐部にパーフォレーションによる膿がみられたケース

上顎第一大臼歯の頬側2根と歯根分岐部にパーフォレーションがみられました。近心頬側根は未治療の根管が認められ、髄床底の近心寄りにパーフォレーションが認められました。膿の部位が多いですが精密根管治療により改善する見込みがあると判断し、治療を開始しました。

上顎第一大臼歯の頬側2根の矢状断のCT画像です。

上顎第一大臼歯の頬側2根共に根の先に小さい膿の影がみられます。

上顎第一大臼歯の冠状断のCT画像です。

赤い矢印の先の近心頬側根に膿の影がみられます。近心頬側根には、青い矢印の先に黒い線が認められ、未治療の根管があります。近心頬側根の膿は未治療の根管が原因と思われます。

同じく上顎第一大臼歯の冠状断のCT画像の歯根分岐部に膿の影がみられます。髄床底にパーフォレーションがありました。

精密再根管治療とパーホレーションリペアを行いました。画像は、根管充填とパーホレーションリペア時のレントゲン画像です。

精密根管治療6カ月後の経過観察時の矢状断のCT画像です。上顎第一大臼歯の頬側2根共に根の先にみられた膿の影が消え歯槽骨が再生しています。

精密根管治療6カ月後の経過観察時の冠状断のCT画像です。青い矢印の先にあった未治療だった根管が根の先まで根管充填されています。赤い矢印の先にあった膿の影が消失し歯槽骨が再生しています。

精密根管治療6カ月後の経過観察時の冠状断のCT画像です。青い矢印の先にあったパーフォレーションによる膿の影が消失しています。

膿のある部位が多かったのですが、精密根管治療により全ての膿の改善ができ、抜歯を免れました。膿があっても必ずしも抜歯になるとは限りません。諦めずに根管治療が得意な医院に相談することをお勧めします。

《根管治療の主な副作用》
ラバーダム防湿が必要になり、開口時間が長くなります。歯科用顕微鏡による精密根管治療は、肉眼や拡大鏡では見えないところ(治療が不十分であった部分)が見えるようになるため、なすべき治療が増えるので治療時間や治療日数がかかります。

《治療期間》
おおよそ、3〜5日(1回1時間の目算です。)

《治療費》
精密根管治療費(消費税込み):前歯132,000円、小臼歯154,000円、大臼歯 176,000円

>>より詳しい情報は、当院の根管治療ページでご案内しておりますので、あわせてご覧ください。

歯科医師

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顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡歯科学会認定医

根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞

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