岡野歯科医院
日本顕微鏡歯科学会認定医顕微鏡歯科治療|根管治療|マイクロスコープ|武蔵小杉駅徒歩1分完全予約制・自由診療TEL.044-711-8241
役立つ歯のコラム 役立つ歯のコラム

用語解説

「根管壁穿孔(パーフォレーション)」

根管壁穿孔(パーフォレーション)とは

神経の通り道である根管の壁に穴が開いている状態を、根管壁穿孔(パーフォレーション)と言います。

根管壁穿孔(パーフォレーション)は根管治療時や支台築造(土台作り)時、などに起こります。これらの治療時には、根管壁を切削する必要があるため、偶発的に起こることが多いです(トロウマティック パーフォレーション)。

特に、根管が湾曲している部位や根管の壁が薄い部位は根管壁穿孔が起こりやすく、奥歯など根管の状態がよく見えないと、根管壁を削除しすぎてしまい穴が開いてしまうケースもあります。パーフォレーションにより、歯が痛んだり歯茎が腫れたり、抜歯になったりなど歯の予後に関わることもあるので、対処について説明したいと思います。

根管壁穿孔

根管壁穿孔(パーフォレーション)によって起こる症状や処置は、根管壁のどの場所で穴が開いているかで大きく異なります。

歯肉縁上、もしくは歯肉縁下の浅いところに穴が開いている場合は、無症状または、弱い歯肉の炎症を起こす程度の症状を呈することが多いです。

歯肉縁下の深いところに穴が開いている場合は、歯茎に膿が溜まって腫れたり、痛みなどの症状が出ることがあります。

治療法は、根管壁に穴が開いている場所に応じて以下の方法が選択されます。

  • ①コンポジットレジン充填
  • ②MTAセメントなどでの根管壁穿孔部の閉鎖
  • ③歯冠長延長術
  • ④矯正による歯の挺出
  • ⑤意図的再植術
  • ⑥歯根分割
  • ⑦分割抜歯

状況により、

歯周ポケット底より上に穿孔部がある場合は、コンポジットレジン充填、歯冠長延長術、矯正による歯の挺出で対処します。
歯周ポケット底より下に穿孔部がある場合は、MTAセメントなどでの根管壁穿孔部の閉鎖、意図的再植術、歯根分割や分割抜歯で対処します。
穿孔による根管壁の欠損が、歯肉縁下まで大きく拡がりすぎ対処が難しい場合は、抜歯になることもあります。

以上のように、パーフォレーションは抜歯になる可能性もあり、歯科医院の対処できるスキルによって、転機が変わりえる病変です。セカンドオピニオンも良いかと思います。

岡野歯科医院では

根管壁穿孔(パーフォレーション)は、日ごろは無症状に経過することが多く、たまたま根管治療時に見つかったりします。

しかし、根管壁穿孔(パーフォレーション)は、歯にとっては大きな問題であり、穴が開いている場所や大きさによっては、治療しても歯を残すことができずに抜歯に至ってしまうことがあります。
根管壁穿孔(パーフォレーション)は、歯のどこに穴が開いているのか可能な限り正確に診断することが重要です。
なぜなら、診断によってなすべき最適な処置が変わるからです。

歯科用CTスキャン当院では、適切な治療を行うために、術前にレントゲンとCTを撮影してパーフォレーションの状況を事前に把握しています。さらに、治療用顕微鏡を用いることで、より正確に根管壁穿孔の状態を確認してから治療法を選択します。
また、根管壁穿孔(パーフォレーション)の治療時にも治療用顕微鏡を使い精密に穿孔具の封鎖処置を行うことにより治療の成功率を高めています。
そして、当院では、そもそも根管壁穿孔(パーフォレーション)を起こさないようにすることがまずは重要であると考えています。

口の中はとても暗く、根管の中は更に暗く、肉眼やルーペではよく見えません。
当院では可能な限り根管壁穿孔(パーフォレーション)を起こさないよう、レントゲン画像とCT画像で根管の湾曲や根管壁の薄いところを事前に確認し、根管治療や支台築造時には治療用顕微鏡で視認しながら注意深く治療を進めます。安心して受診いただけたらと思っております。