「樋状根とは」
樋状根とは
樋状根とは、下顎第二大臼歯(親知らずの手前の歯)や親知らずにみられ、本来ある2つの歯根が癒合し1つの歯根のような形態をとる歯根のことです。歯根が、舌側が垂直に深く陥没した形態をしており、歯根の外形だけでなく根管も近心根と遠心根が頬側で癒合し水平断面は馬蹄形を呈し、樋に似ているため樋状根と呼ばれます。また、アルファベットのCの文字に似ている形であるため樋状根管をc-shaped canalとよぶこともあります。特に下顎第二大臼歯に多く、約30〜40%の確率で認められます。 樋状根の根管の形態は歯根の外形と同様で、また非常に複雑な事が多く根管治療はとても困難です。樋状根の根管治療は、根管の形態を正確に把握し処置することが必要になり、根管治療の成功率を上げるためにはCTスキャンや、歯科用顕微鏡を用いる必要があります。
岡野歯科医院では
樋状根は、その解剖学的な形態から歯周病治療や根管治療時には大きな影響を受け、いずれも治療の難易度がとても高くなります。
一般的に、根管治療の成功率は根管の形状に大きく影響を受けます。そして、根管の中に歯髄組織や汚染された根管充填材が残っていると根管治療が失敗する確率が高まります。
樋状根の根管は、歯根の外形通り雨樋のような形状を呈し、通常の根管治療で使用するファイルと呼ばれる針状の器具のみでは、雨樋状の形態の根管を隅々まで清掃することは難しく、どこかに細菌感染した歯髄や根管充填材を残しやすくなります。それが原因で、治療が完了しても症状が無くならなかったり、治療後しばらくしてから歯茎が膿んだり痛みを起こしたりします。
根管治療を成功させるためには、その樋状の形に根管を清掃することが必要になります。
当医院では、樋状根においてもCT画像で根管の形状を事前に確認し、歯科用顕微鏡で根管を視認しながら樋状の形に根管を根の先まで清掃し、根管の中の汚染物質を除去し根管治療の成功率を高めています。
樋状根のように根管が複雑でも、治療の仕方によっては症状が改善し、抜歯しないで済むかもしれません。諦めずに根管治療の得意な歯科医院に相談することをお勧めします。