岡野歯科医院
日本顕微鏡歯科学会認定医顕微鏡歯科治療|根管治療|マイクロスコープ|武蔵小杉駅徒歩1分完全予約制・自由診療TEL.044-711-8241
役立つ歯のコラム 役立つ歯のコラム

用語解説

「超音波スケーラー」

超音波スケーラーとは

超音波スケーラーとは、超音波を利用して歯垢や歯石を取り除くために用いられる医療器具です。
振動する先端に水を噴射しながら超音波を発生させ、この超音波によって歯の表面に付着した汚れを削り取ります。
従来の手動のスケーラーに比べて作業効率が高く、短時間で歯石を取り除くことができます。

超音波スケーラー

また、超音波による振動は歯の表面を傷つけることが少ないため、歯の健康を守ることができるという利点があります。
ただし、超音波スケーラーは歯の表面を全く傷つけることがないわけではないため、歯肉の炎症や、歯が敏感な方には適さない場合もあります。そのため、歯科医師や歯科衛生士が、患者さんの口腔状態に合わせて適切に使用します。

超音波スケーラーは、超音波振動により歯石を粉砕したり、歯を削ることができます。
また、超音波振動によるキャビテーション効果により粉砕した歯石や歯の削片を洗浄します。

超音波振動を発生するハンドピースの先端には、超音波チップという器材がついており、そのチップから25~50KHzの周波数の超音波振動が発生します。

超音波スケーラーの臨床応用範囲は広く、歯周病治療、歯内療法(根管治療)、補綴物の除去や製作、抜歯などの外科治療、インプラントなどに用いられます。

以前は、超音波スケーラーは歯肉縁上歯石の除去に主に用いられてきましたが、近年は様々な治療に適合した超音波チップが開発されたため、歯周病治療の歯肉縁下歯石の除去もできるようになりました。

その他、歯内療法時の根管形成・根管洗浄・外科的歯内療法、被せ物や土台の除去、補綴物製作時の歯冠形成などにも、幅広く用いられています。

チップ

岡野歯科医院では

当医院は、顕微鏡歯科治療を専門としています。
特に、超音波スケーラーは顕微鏡歯科治療との相性が良く、歯周病治療と歯内療法(根管治療)で、その力を発揮します。

歯周病治療では、歯周ポケットの歯根面に付着している歯石を除去しなければならないのですが、歯周ポケットは狭く暗いので肉眼では歯石が見えにくいという問題があります。そのため、手指の感覚で歯石を除去しなければないことも多く、歯石を取り残してしまいがちです。

また歯根面は、凸凹しているため、窪みにある歯石はなおさら取り残しやすいです。

そんな時は治療用顕微鏡を使い、歯根面を拡大視しながら歯石を除去することで、手指の感覚ではなく目視で歯石を確認しながら超音波スケーラーのチップを歯石だけにあてて確実に除去することができます。
また、歯根面の窪みにある歯石も、超音波スケーラーを使えばピンポイントで凹みに入り込んだ歯石を除去することができます。

治療用顕微鏡と超音波スケーラーを組み合わせると歯石の除去がより確実になり、治療の初期の段階で治癒しやすくなるため歯肉を切開する必要のある歯周外科処置をしなくてもよくなるケースもあるのです。

また、歯内療法(根管治療)でも超音波スケーラーは活躍します。
歯内療法では根管という歯の神経の通り道を徹底的にきれいにしなければなりません。
しかし、根管はイスムス(根管と根管をつなぐ管)という特殊な形態をもった細い交通路があることがあり、歯髄や感染物質がそこに残って腐敗したりします。

さらに、根管を清掃するためのファイルという医療器具が根管内に折れ込んで根管をふさいでいたり、根管内が石灰化沈着を起こしていて塞がってしまいその先の根管の感染が除去できないなどもあります。

ただでさえ、狭くて暗くてよく目えない根管には、このような治療を阻む状況が多々あります。

そんな中でも、治療用顕微鏡を使い、根管を明るくてらして視認しながら、超音波スケーラーを使ってイスムスを綺麗にしたり、根管に折れ込んだファイルを超音波スケーラーで除去したり、石灰化沈着によって塞がった根管の石灰化を除去することで、確実な治療を行うことができます。

治療用顕微鏡と超音波スケーラーを組み合わせることで、従来は対応が難しかったケースでも、改善することができるようになりました。結果的に、これまで外科的歯内療法を行わなければ治らなかったケースも、外科的歯内療法をせずに治すことができます。

このように超音波スケーラーは、治療用顕微鏡との組み合わせで大きな力を発揮します。

当医院は、保存治療を得意とする顕微鏡歯科治療専門の医院です。特に、その保存治療において超音波スケーラーが有効であることを日々実感しています。