2018

4/16

上手なデンタルフロスとエンドタフトブラシの使い方とポイント

記事概要

「あ...私の息、臭いかも。」そんな経験はありませんか?普段は何気なく生活していても、時々自分の口臭が気になる事があるものです。今回は、口臭の原因について知っていただき、役立つお口のケア方法、中でもデンタルフロスとエンドタフトブラシの使い方とポイントをご紹介します。

口臭は歯垢と食べカスが原因?

冬場などにマスクをした時のご自身の息が気になった方はいらっしゃいませんか?マスクをした後、しばらくするとそのマスクから跳ね返ってくる自分の息の臭いを嗅いで、「あ、、、、私の息、臭いかも。」そんな経験はありませんか?

程度の差はありますが、どんな人も口臭があります。そして、普段の生活習慣や食べ物、お口の中の衛生状態(ブラッシングなど)、病気など、口臭の原因は様々です。

普段は何気なく生活していても、時々自分の口臭が気になる事があるものです。今回は、そんな時に役立つお口のケアと口臭について説明してみたいと思います。

まず、口臭の原因からお話ししたいと思います。口臭の原因は三つに分けられます。、生理的口臭、病的口臭、もう一つは食べ物による口臭です。

1.生理的口臭

まず知っておきたいのは、誰にでも自然の口の臭いがはあるということです。そもそも口の中は湿気がたくさんある上に温度も高いので、雑菌が繁殖して臭いを発しやすい環境であると言えます。ですから自然にしていても口臭はあるのです。

また、病気(虫歯や歯周病、その他の疾患)などの口臭の原因疾患が無くても、その時の口の中の状態や体調、精神状態によって唾液の分泌量が減るなどして起こる口臭も生理的口臭です。

日本人は口臭に対する意識が低いとされています。これに対してキスをしたりハグをしたりとお互いの顔と顔を近づけるスキンシップを図る欧米人は、口臭に対する意識が高いようです。

2.病的口臭

病気が原因になっている口臭を、病的口臭と言います。それは、次のようなものが挙げられます。

1)むし歯や歯周病などの口の病気
2)ちくのう症や扁桃炎などの鼻や喉の病気
3)胃炎や胃拡張などの胃腸の病気
4)慢性気管支炎などの呼吸器の病気
5)糖尿病や肝臓病、腎不全、ガンなどの病気


そしてこの、病的口臭の原因の90%がむし歯や歯周病だと言われています。
むし歯で歯に穴があくと、そこに食べカスが詰まり腐敗していきます。また、歯周病が進んでくると歯ぐきに膿が溜まり口臭の原因になります。

口臭が気になり始めたら、虫歯や歯周病の状態が進行している可能性が高いのです。注意が必要です。

3.食べ物由来の口臭

食べ物やタバコ、アルコールによって生じる口臭があります。食べ物に代表されるのがニンニクやニラ、玉ネギに含まれるアリシンです。アリシンは、硫黄化合物の一種で、口臭の原因になります。

これらの事から、口臭によっては、お口の中の口腔ケア(清掃状況)を良くすることで改善することが期待できるのです。

先ずは、歯垢や食べカスを除去すること

お口の中に食べカスが残っていると、お口の中の細菌が食べカスを発酵し腐敗させます。つまり、食事をした後、食べカスが残っていると、腐敗して口臭の原因となりえるのです。

また、歯周病やむし歯の原因は歯垢です。むし歯や歯周病も口臭の原因になりますので、歯の周りについた歯垢を確実に落とせれば、むし歯や歯周病の発症を抑え、口臭が予防できるという訳です。しかし、歯垢を完全に落とすことは、皆さんが考えるほど簡単ではありません。

それぞれの歯によって、歯の形が異なり、個人個人で歯並びも異なります。
また、ミュータンス菌の感染などによっても歯垢を歯から落とす難易度は変わってきます。

むし歯や歯周病の予防のためには、日々歯垢をブラッシングによって正確に落とすことが重要ですが、お口の中の清掃条件は個人個人で異なるのです。歯並び、歯の形、生えている歯の本数、乳歯なのか永久歯なのか、歯肉が痩せて歯の根が露出しているか、舌や唇・頬の筋肉の強さ、嘔吐反射は強いかなど、ブラッシングは様々な影響を受け、清掃状態がかわります。

それぞれ歯垢落としの条件は異なるので、自己流では歯垢は上手く落ちていないことが多いということをご理解いただきたいと思います。

そして、歯垢が落ちにくいところは、歯の表面の溝や窪み、歯ぐきの近く、歯と歯の間の隣接面、歯列不正の場所であることも頭にいれておきましょう。

いずれも、凹みで歯ブラシがあたりにくいところです。だから、そこに溜まった歯垢を落とすのに、凹み専用の歯垢落としの道具が必要なのです。それが、歯間ブラシ、デンタルフロス、エンドタフトブラシです。ここから歯間ブラシ、デンタルフロス、エンドタフトブラシのそれぞれの使い方についてお話ししたいと思います。

歯間ブラシとデンタルフロスは歯と歯の間の歯垢を落とす道具

歯間ブラシは、その名の通り歯と歯の間の歯の表面に付着している歯垢を落とす道具です。例えば、歯と歯の間に空隙がある場合に使えます。(歯間ブラシの使い方は、すでに他のブログで触れていますので、こちらの記事をお読み下さい。https://www.okano-do.com/column/hamigaki.html

デンタルフロスも歯間ブラシも、歯の隣接面の清掃に使う器具ですが、歯と歯に挟まった食片をとるための道具と勘違いしている方が多いです。

特に、市販されているデンタルフロスに「糸ようじ」という名称で販売されているものがあります。この名から、デンタルフロスに対して勘違いを生みやすいかもしれません。

デンタルフロスは歯と歯の間に入り込んだ食片をとる楊枝ではなく、あくまでも、隣接面についている歯垢をこすり落とす道具です。そのため、自己流でデンタルフロスを使うのではなく、正しい使い方を指導をしてくれる歯科医院にかからないといけません。

清掃不良による口臭の原因は、お口の中にいるバクテリアが作り出すガスである揮発性硫黄化合物が主な原因となります。揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)とは、口臭の原因である主な成分で、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドなどが挙げられます。そして、それらにはそれぞれの特有の匂いがあります。

●メチルメルカプタン:血生臭い、魚や野菜が腐ったような臭い
●硫化水素:温泉地のような卵の腐ったような臭い
●ジメチルサルファイド:生ゴミのような臭い

このバクテリアをフロスで落として、口臭を予防するのです。

デンタルフロスの使い方、3つのポイント

それでは、デンタルフロスの使い方について説明します。

(1)糸を歯と歯の間に入れる角度

デンタルフロスは、清掃しようとする歯と歯の間を歯茎の方向に通す必要があります。その時のコツの一つは、清掃しようとする2本の歯を結ぶラインに、写真のように直角にフロスを当てることです。場所によって当てる角度が変わりますが、意識していただきたいのは、2本の歯を結ぶラインに直角に当てるということです。

(2)歯と歯の間の接触点を通過させるコツ

フロスを直角に当てたら、のこぎりを引くようにデンタルフロスを動かしていって、歯と歯が接触しているところを通過させると隙間に通りやすいです。
奥歯は少しやりづらいのですが、写真のようにフロスの糸に対して直角に柄がついているものが使いやすいです。

(3)フロスの当て方

フロスを歯と歯が接触している接触点の下に通過させたのち、糸を片方の歯の面にしっかり押し当てます。それから、上下に面を擦るように清掃します。片方の歯の面にしっかり押し当てるというのがポイントです。歯と歯の間に糸を通して上下運動するだけでは、歯の表面にこびりついて繁殖したバクテリアを擦り落とすことはできません。しっかり、歯の面を擦るようにして使います。

この時、歯の隣接面にフロスを押し付けながら歯周ポケットの中まで入れると効果的です。ただし、痛みを感じるところまで入れる必要はありません。
片方の面の清掃が終わったら、今度は反対側の面にフロスを押し当てたまま上下に面を擦ります。清掃している歯の面に糸を当てることを意識しながら上下するのがポイントです。

ただし、隣接面に窪みがある場合にはそこに溜まった歯垢はフロスでは落ちないので、窪みに毛が入る歯間ブラシが適応となります。

ブラッシングの強い味方、エンドタフトブラシの使い方

次に、エンドタフトブラシの使い方について説明します。

ちょっと馴染みのない歯ブラシですが、使いこなせば歯垢落としに非常に有効で、是非使っていただきたい清掃道具です。

エンドタフトブラシは、隣接面以外の歯の面についた歯垢をピンポイントに落とすのにとても有効です。凹みや歯ブラシを回り込ませないといけない最後臼歯の奥の面にブラシの毛をあてやすいです。

ブラシが小さいので、歯ブラシが届きにくい場所、例えば歯と歯の間、奥歯の歯の生え際、歯並びの悪いところ、乳歯のブラッシングなど、様々な場所にピンポイントで適応できます。このように先端が尖っているタイプを使うと、歯垢が残りやすい凹みの部分にブラシの毛がさらに届きやすくなります。

また、ブラシのヘッドが小さいので、お子さんの後磨き(親御さんによる仕上げ磨き)にも適しています。ただし。エンドタフトブラシはブラシが様々な形や硬さがあり、やはり自己流ではなく、当て方を歯科医院で指導をうけるべきです。

奥歯の奥側は歯ブラシを当てにくいところですが、エンドタフトブラシだとブラシが届きやすいのがわかると思います。このように、奥歯の舌側の歯と歯肉の境目に溜まった歯垢もピンポイントで落とすことができます。ブラシが小さいので舌にブラッシングが邪魔されにくいです。

ただし注意点が一つあります。
そもそも、不適合な詰め物や被せ物のつなぎ目の溜まった歯垢は、歯間ブラシ、デンタルフロス、タフトブラシでも落ちないので、適合の良い詰め物や被せ物に入れなおすことをお勧めします。(こちらについては『適合』に関するこちらの記事をご参照ください。https://www.okano-do.com/column/yobou3.html

まとめ

最後にまとめとして以下の事をお話しておきます。
本ブログ記事に掲載されているのは、あくまで使い方の簡単な紹介です。

写真で見るのと実際にやるのとは大違いで、現場で実際に指導してみると上手くできない方が非常に多いのが現実です。この記事は、あくまで器具の紹介なので医院で練習を何回もしないといけません。読んでもできるようにはなりません。

どの歯にどの道具が適していて、どうあてるべきかは、プロの指導が必ず必要です。磨いていると磨けているは別なのです。日々の正確な清掃が予防の近道ですので、信頼できる歯科医院にご相談するのをお勧めします。