2018

6/07

ラバーダム防湿は何故必要なのか。ラバーダム防湿の5つのメリット!

記事概要

ラバーダム防湿法とは、ゴムのシートを患歯に装着して治療することで、唾液が歯との接触を無くし、根管への細菌の感染を防ぎ、主に根管治療の成功率を上げることを目的とする処置です。アメリカの根管治療の専門医は、治療の90%でラバーダム防湿をしています。しかしながら、日本の歯科治療の現場におけるラバーダム防湿の施術率は低く、根管治療の学会員でさえ約25%の装着率、一般歯科医にいたっては約5%の装着率であったとの報告があります。今回のブログでは、具体的なラバーダムの方法と必要性について解説いたしました。

ラバーダム防湿法は、海外では当たり前

皆さんは、「ラバーダム防湿」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか? 全く聞いたことが無い方が、ほとんどだと思います。 しかしながら、私たち歯科医師は全員が知っている言葉です。 何故なら、『特に根管治療(歯の神経の治療)時には、ラバーダム防湿を必ずしてから根管治療をしなさい』と学んでから歯科大を卒業するからです。 ラバーダム防湿法が考案されてから約150年が経過しました。 ラバーダム防湿法とは、ゴムのシートを患歯に装着して治療することで、唾液が歯との接触を無くし、根管への細菌の感染を防ぎ、主に根管治療の成功率※を上げることを目的とする処置です。(詳しくは、当サイトのラバーダム除湿のページを御覧ください)https://www.okano-do.com/rubberdam.html 特に根管治療には必須です。なぜなら、細菌の根管への感染が無ければ根管治療は成功するからです。感染が無ければ歯髄組織が根管に残っていても、治癒します。ラバーダム防湿をすれば、感染がゼロになると言うわけではないのですが、未だにこれを超える防湿法はありません。 特に根管治療においては近年、治療の効率を上げる機材や器具の進歩ばかりが取り上げられ、根管治療の大前提である無菌的処置の概念が置き去りにされています。 まずは根管治療時には、感染防御のためのラバーダム防湿を必ず行うこと。これが、根管治療の大前提となります。 しかしながら、日本の歯科治療の現場におけるラバーダム防湿の施術率は低く、根管治療の学会員でさえ約25%の装着率、一般歯科医にいたっては約5%の装着率であったとの報告があります。(こちらのグラフを御覧ください。) ラバーダムの利用状況 ラバーダム防湿法は、何より時間が必要です。つまり、手間暇がかかるのです。 場合によっては麻酔が必要な事もあります。治療を早く終えなければいけない保険治療においては、方向性が逆の処置なので、残念ながらほとんど日本では行われていないのが現状です。 アメリカの根管治療の専門医は、治療の90%でラバーダム防湿をしています。ラバーダム防湿がしにくい状態なら、隔壁という壁を樹脂で作れば根管治療でラバーダム防湿ができるようになります。以下は、ラバーダム防湿のための隔壁作成の動画です。

このようにして隔壁を作れば、確実なラバーダム防湿が可能となります。 お口の中は、細菌が増殖するのに恰好の場所で不潔になりやすく、頬や舌によって見えづらく、暗く、唾液によって濡れやすく、繊細な治療を必要とされる歯科治療を阻む条件ばかりが揃っています。そんな中で、ラバーダム防湿は歯科治療を成功に導くための必須のテクニックなのです。

ラバーダム防湿が使われる治療について

では、ラバーダム防湿法について、簡単に説明します。ラバーダム防湿法のイメージとしては、お口の中に小さな施術室を作るという感じです。 具体的はラバーダム防湿専用のゴムのシートに小さな穴を開け、治療する歯だけをその穴に通して、お口の中と歯を隔絶し清潔な環境にして治療するのです。 ゴムのシートに歯を通します。 ラバーダム防湿 歯と口の中を隔絶します。 ラバーダム防湿 たったこれだけの作業のように見えますが、とても時間もかかり手間暇のかかる処置です。感染予防を第一に考えなければならない根管治療では、このラバーダム防湿が必須ですので、これをきちんと行ってくれる歯科医師は信頼できると言って良いでしょう。 ただし、ラバーダム防湿をしていると言っても、歯とゴムのシートの間に隙間を残したまま治療しているのを見かけることがあります。それでは、意味がありません。歯とゴムのシートの間に隙間が無いか、隙間があっても隙間を材料で埋めてから治療しているかを、治療後にモニターに映して見せてくれる医院が確実です。 では、ラバーダム防湿はどのような時に有効なのかについて説明します。ラバーダム防湿が活躍するのは根管治療だけではありません。主に、下記の治療時に有効です。

①根管治療(歯の神経の治療)

ラバーダム防湿は、特に根管治療で有効です。何故なら根管治療が上手くいかない原因が、根管(歯の神経の通り道)のバイ菌の感染にあるからです。ラバーダム防湿をすることによって、唾液と一緒にバイ菌が根管に入り込むのを防ぎ根管治療の成功率を上げることができるのです。

②歯の詰め物の治療

次に、歯の詰め物の治療時にも有効です。むし歯の治療時に、唾液が入ってくると詰め物が上手く接着しません。上手く接着しないと、詰め物が外れやすかったり、接着しなかった隙間からバイ菌が歯の中に入って、むし歯が再発したりしやすくなります。ラバーダム防湿をすることによって唾液をシャットアウトし、確実な詰め物の接着が可能となります。

③詰め物や被せ物の安全な除去

さらに、詰め物の除去の時にも有効です。ラバーダム防湿をしてから詰め物や被せ物を除去すれば、削りかすや外れた詰め物や被せ物が喉の奥の方に行きません。外れた詰め物や被せ物が喉の奥の方に行ってしまうと、飲み込んでしまったり、最悪は肺に入ってしまうこともあります。肺に入ってしまうと、除去するのに外科手術が必要なこともあり、大変なことになってしまします。お子さんの治療でも安心して治療することができます。

④治療する歯が見やすくなる

とにかくお口の中は暗いです。頬や舌も歯の上に覆いかぶさってきやすく、更に見えづらくなります。ラバーダム防湿をすると、頬や唇、舌がゴムのシートで排除されるので、奥歯のような見えづらいところでも治療する歯がよく見え、勘に頼らない治療ができ成功率が上がります。

⑤歯肉や頬を傷つけない

ラバーダム防湿をすることにより、頬や唇、舌をゴムのシートが避けてくれるので機材により頬や唇、舌を傷つけることがありません。また根管治療時にも根管を消毒する薬剤が根管から漏れることにより、歯の周囲の組織を薬剤で傷害するのを防止します。術者も適切な根管消毒剤を安心して選択し、使用できるので、治療の成功率も上がります。

などに有効です。

まとめ

以上のようにラバーダム防湿は、根管治療もとより、根管治療以外の様々な歯科治療でも良いことだらけの処置です。しかしながら、日本では殆ど行われていないのが現状です。 岡野歯科医院では、根管治療においては100%、他の治療においても必要と判断した場合はラバーダム防湿を行って治療をしています。最適な歯科治療を行うために、岡野歯科医院の専門である顕微鏡歯科治療の良いところを更に延ばす為にも、ラバーバム防湿は欠かせないものとなっています。 ラバーダム防湿の動画をアップしています。よろしければご覧ください。 「根管治療の成功率」データ根拠はこちら