
記事概要
根管治療で歯科医院に通院している際に治療中または治療後に何かくさいにおいを感じ、大丈夫だろうか?と不安になる方がいるかもしれません。今回は、根管治療の際に感じる可能性のある臭いの原因について解説します。
当医院は、顕微鏡歯科治療専門の歯科医院です。2010年より、むし歯治療(詰め物・被せ物)、根管治療、歯周病治療、抜歯などの口腔外科手術、定期検診など、全ての治療に歯科用顕微鏡を使用し、治療の成功率を高めてきました。長年、歯科用顕微鏡を使って治療してきた結果、治療成功率の高さ、予後の良さを日々実感しています。皆さんのお悩みを真剣に解決するため、これまで蓄積してきた顕微鏡歯科治療の知識と技術をもって貢献したいと思っています。

全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
顕微鏡歯科ネットワークジャパン認定医・日本顕微鏡歯科学会認定医
根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞
1初めに
根管治療とは、歯の神経の通り道である根管を清掃し蓋をする処置ですが、いろいろな原因で臭いを発することがあります。今回は、真に根管治療をしている時の根管治療中に感じるかもしれない臭いと、その日の根管治療が終わった後の根管治療後に感じるかもしれない臭いに分けて説明したいと思います。
2根管治療中の臭い
- 歯を切削する時に発生する臭い
歯を切削すると独特のにおいが発生します。この臭いは健全な歯質を削った時にも感じる臭いで、根管治療時にも感じられます。
また、根管治療が必要な歯は基本的に感染しているため、むし歯部分などを削って除去する時に腐ったようなにおいを感じることがあります。特に非注水で削っているときに感じることが多く、根管治療では超音波チップなどを用いて治療を行っている際に感じることがあります。 - 根管内の感染の臭い
根管治療は、根管の中にいる細菌との戦いです。根管治療が必要な歯は、根の中が細菌感染していて、神経組織が壊死していることも多いです。この壊死した神経が腐敗臭を発していることもあります。また、根管が感染していると根の先に膿の袋ができることが多いです。そして根管治療中に、根の先から膿が根管内に上がってきたりすることがあり、それが原因で腐敗臭を感じることがあります。 - 使用する薬剤の臭い
根管治療中に使用している薬剤で、臭いが発生することもあります。根管治療では根の中にいる菌を死滅させるために次亜塩素酸ナトリウムをもちいて根管洗浄を行うことが多く塩素臭が生じることがあります。
また、次回の根管治療までの間、根の中に消毒用の薬を入れておくこともあり、ヨードやホルムアルデヒドのにおいを感じることもあります。
3治療後の臭い
- 仮封不十分による漏洩の可能性
根管治療は完了までに複数回にわたって治療を行うことがしばしばあります。その際にもう一度根の中にアプローチするために治療の最後に仮封(仮蓋)を行います。
この仮封がうまくいっていないと治療後に臭いを感じる可能性があります。
根の中が感染していたり、膿が排出されていたり、薬剤が漏れ出てしまっていることで漏出物の臭いを感じることがあります。 - 仮封材のすり減り
一般的な歯科医院で用いられている仮封材は水硬性のものを用いているところが多いですが、欠点として次の来院まで期間が長いとすり減ってしまうことがあります。仮封のすり減りは前述した漏洩にもつながります。また、仮封材がすり減ってへこんでできたスペースに食べかすなどがたまり、臭いを発生させることもあります。 - 歯と歯の間のよごれがたまる
根管治療中も歯は歯質を削られることにより、正常な歯の形態が失われていることも多いです。通常は歯と歯の間には接触があり、デンタルフロスや歯間ブラシなどで容易に清掃することが可能ですが根管治療中の歯はうまくお掃除ができないことがあります。そのためプラークや食べかす歯の周りにたまりやすく、臭いを感じる可能性があります。
4まとめ
上記のように治療中または治療後に臭いを感じる可能性はいくつか存在します。治療中のものに関しては通常問題ないことが多いですが、治療後の臭いについては根管治療がうまくいかなくなる原因が潜んでいる可能性があります。特に根管治療後に臭いを感じた場合は一度歯科医院に相談していただくことをお勧めします。
5歯の神経の治療(根管治療)中や被せ物治療後の膿や歯茎の腫れで悩んでいる方の治療メニュー
当院では、何度根管治療をしても膿や歯茎の腫れが治らない方に、以下のように治療を進めていきます。ただし、これは一般的な治療方針です。患者さんの個々の状況により、治療内容に多少の差異が生じます。
膿で悩んでいる方は、一度、お電話でお問合せいただくことをオススメいたします。
STEP.1
初回カウンセリング
問診でお口の問題をヒアリング初診当日はカウンセリングとなります。
① 問診表の記入
② マイクロスコープ検査、レントゲン・CT撮影と診断
③ 治療計画および治療内容のご説明
※治療期間、費用等、患者さんと相談の上、治療方針を決定いたします。その後、次回の治療予約となります。
STEP.2
隔壁作成
まずは、隔壁を作成します。隔壁とは、唾液から根管への細菌感染を防ぐためと、根管治療で次亜塩素酸ナトリウムなどの適切な薬剤を安全に使えるようにするためのラバーダム防湿を行う為に作成する「壁」の事です。大きく歯が欠損していても隔壁を作ることでラバーダム防湿ができるようになり、この先の治療が安全に確実に行えるようになります。なお、「隔壁作成」前に、被せ物・詰め物・土台・裏層の除去が必要なことがあります。
STEP.3
根管治療開始
ここから根管治療の開始となります。1回の治療時間は、約60分ほどです。治療回数は、治療する歯の根管の数や根管の複雑さによって変わります。(治療回数はおおよそ1~5回位です)
根管治療時は、毎回、ラバーダム防湿を設置します。そして、CT画像を確認しながら治療用顕微鏡下で根管の清掃・殺菌・消毒・根管充填を精密に行います。
STEP.4
支台築造・仮歯作成
根管治療が完了した後は、土台作成(支台築造)を行っていきます。当院では、土台作成時にもラバーダム防湿を行います。また、必要に応じて更に仮歯を作成し、経過観察に入ります。
STEP.5
治療判定
当医院では通常、根管治療終了後6ヶ月後に患部のCT撮影を行い、治療効果を判定します。
膿や歯茎の腫れが再発せず根尖病変(根の先の膿)の改善がみられた場合は、被せ物治療に移っていきます。被せ物治療は、むし歯が再発し根管に再感染しないよう、治療用顕微鏡を使って精密に行います。
膿や歯茎の腫れが再発したり根尖病変の改善が見られない場合は、患者さんと相談後、外科的歯内療法、歯根の部分抜歯などを予定します。
6当医院ではセカンド・オピニオンも行っています
CHECK
他院で治療中であっても可能です
- 根管治療をやり直しているが、歯茎が腫れてまた膿んできてしまう。
- 根管治療しても歯茎の腫れや膿が消えないので抜歯と言われた・・・
- 痛みが無いのに膿が何故か消えない・・・
という方は、お気軽にご相談ください。
当院は自由診療となっております。以下に治療費を掲載いたします。
※各種クレジットカードでお支払いいただけます。
カウンセリング料金 ¥11,000
・顕微鏡による、むし歯・歯周病検査など
・レントゲン撮影
CT撮影料金 ¥11,000
通常、CT撮影は別途 33,000円がかかりますが、初回のみ11,000円で撮影します。

全国で11名の歯科医師のみ、
日本で最も厳しい顕微鏡歯科基準をクリア
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根管治療・顕微鏡歯科治療専門 歯科医岡野 眞