2018

3/13

【動画で見る、顕微鏡歯科治療と根管治療:Vol.2】歯周病に一番必要なのは歯磨き指導。歯磨き指導に時間や回数をかけてくれる歯科医院がおすすめです。

記事概要

今や国民病と言われる歯周病。なぜ、歯周病はなかなか改善しないのでしょうか?
まずは歯周病の原因を探り、歯磨きでどれだけ歯周病の予防・改善ができるのかをご説明します。また、当院の歯科用顕微鏡を使った歯周病治療についてもご紹介します。

なぜ、歯周病が改善しないのか?

今や、国民病と言われる歯周病ですが、歯周病患者さんがなかなか減らないのは何故でしょうか?日本国民の予防歯科意識も高まり、定期的に歯科医院に通う人も増えています。子どものむし歯も減ってきたと言われていますが、大人の歯周病が昔に比べて大きく減少しているというニュースはあまり耳にしませんね。

歯周病は、成人になってから歯を失ってしまう原因の第1位です。抜歯の原因の約40%を占めます。実に多くの方が歯周病で歯を失われるのですから、歯周病の治療の成功率を上げることは、多くの人のメリットとなります。

そして、改めて押さえておきたいのが歯周病の主な原因についてです。

歯周病の主な原因は歯垢です。よって、歯科医院における歯周病治療の基本となるのが、歯垢を落とすための歯磨き指導ですが、なぜか、日本の歯科医院では、歯のクリーニングだけで歯周病を予防・改善しようとしています。

実は、歯周病予防と治療にかかせないのが歯磨き指導です。歯磨きが上手くできていないと歯周病予防や治療は成功しません。いつの間にか、日本の予防歯科は、歯磨き指導をおざなりにして、歯のクリーニングに通っていただくことだけが先行してしまっています。

歯垢が歯周病の主な原因ですから、歯垢を日々落とすことが歯周病予防や治療に欠かせないのです。歯磨き(プラークコントロール)ができていないと、歯石がまたついてきてしまいます。歯石がついているということは、そこの歯のプラークコントロールができていない(ずっと歯垢が落ちていなかった)という事なので、その歯の歯肉は炎症を起こし続けていたという事です。たまに歯石をとって、その時だけ歯の周りを奇麗にしても、歯周病は改善しないのです。

そういうことから、当医院は歯磨き指導に力を入れています。

そして、正しいブラッシング(歯磨き法)が定着したら、次のステップで歯石の除去を行います。

歯石は、細菌の死骸に唾液や血液のミネラル成分が沈着し石のように硬く固まったものです。強固に歯にくっつき、歯ブラシやフロスでは除去できません。歯石の表面はザラザラし、歯垢がたまりやすく落ちにくいのです。歯石を足がかりにして細菌が増殖します。
ですから、歯周病治療の第一歩はブラッシング指導、第二のステップは歯石除去です。歯石をとることにより、歯垢が落ちやすい環境を作り、正しい歯磨きによって歯周病菌を減らして改善させます。

それでは、当院の歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯石除去について治療動画を用いてご説明します。

上は歯石の除去の動画です。もちろん、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いています。

動画の中盤から歯石がとれてくるのをご覧いただけたと思いますが、あれだけ歯石が大きくなるには10年は掛かっています。残念ですがきちんとした歯科検診がなされていれば、ここまでは大きくならなかったと思います。歯石の大きさからかなり長い期間歯垢が残存し、歯周病が進行してしまったことが考えられます。

前の述べた所に戻りますが、これらの歯石が歯科医院できちんと除去されて、正しいブラッシング指導がなされるだけで、歯周病は大きく減少すると、私は考えています。

何故なら、私が歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を導入する前、歯周病を治療するため歯石の除去もしていましたが、歯周病の進行度が中等度以上だとなかなか改善せず、歯周病の治療は難しいと思っていました。しかし、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)の導入とともに、その印象は大きく変わりました。
歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使えば、かなりの確率で歯周病が改善できることを体感したからです。

歯石とりの前に大事なブラッシング(歯磨き)指導

当医院では、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いて、一本一本の歯の磨き残し(歯垢)を撮影し、モニターに再生して患者さん自身にその場で見ていただき、理解・納得していただいた上で、歯磨き指導をします。

どこがきれいに歯垢が落ちていて、どこにどれくらいの磨き残しがあるのか。一生懸命歯磨きしているつもりが、予想以上に磨き残しが多いのを目の当たりにすると、患者さんも少なからずショックを受けるようですが、事実を明らかにすることで、意識を変えていただけることも多いです。

歯磨きは歯の形や歯並びなどで、個々の患者さんでプラークコントロールの仕方は変わります。正確には、一本一本の歯でプラークコントロールの仕方が違うのです。その歯に合わせたカスタムの歯磨き指導が必要です。それには、治す側の意識が必ず影響します。ここが重要で、歯周病治療の結果に差が出てくると思われる所です。本当に重要だと理解していれば、患者さんの為にやるはずです。

但し、歯磨き指導には時間と忍耐が必要です。歯磨き指導をするためには、何よりもプラークコントロールが重要であるという強い意識がないとできません。ですので、歯磨き指導に時間や回数をかけてくれる医院はオススメです。歯周病のためには、歯科医院も患者さんも、ここ(プラークコントロール)を避けては通れないのです。

それでは、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使った歯石除去についてお話します。

歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使った歯周病治療

歯周ポケットは狭く、暗く、ポケット内の歯根面についた歯石は肉眼やルーペではよく見えないため、通常は手指の感覚や勘でとっていきます。(上の動画は当院の歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)下での映像です。肉眼やルーペでは、ここまでは見えていません。)

ただ、手探りで歯石をとることになるので、歯石除去が不確実になりやすいのです。

歯石が上手くとれていないと歯周病は治らないのですが、その原因は、歯石が想像以上にしっかり歯についてしまっているということと、歯石がほとんど見えないためです。歯石が見えなければ、歯石をとる器具を歯石に当てることができません。当てられていなければ、歯石がとれるわけありません。話は、しごく単純です。

また、歯の根の表面は陥没があったりするので、その陥没に入り込んだ歯石はとり残してしまうことが多いのです。そういう歯根面の複雑さが、さらに歯石とりを困難にしています。ポケットが深ければ深いほど更に見えにくくなり、出血もあるので通常は手指の感覚に頼らざるをえなくなりますが、当然処置は不確実になります。だから、歯石をとり残し、歯周病が治らないのです。

そこで、よく見えない歯周ポケット内を歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)で覗き込み、歯石を確実に除去していきます。通常、よく見えないため歯肉を切り開いて見やすい状態にして歯石を取らなければならない状態でも、顕微鏡を使えば、歯肉を切り開かなくても歯石が見えることも多いので、最小限の侵襲で治療することができます。

当医院が導入している二台の歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)のうちの一台はキセノンライトという光源です。キセノンライトはハロゲンライトの10倍の照度を持つので、強い光源によって狭いポケットの中を更に明るく照らし、詳しく観察しながら確実な歯石の除去をすることができます。

歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使って歯石をとるようになってからは、明らかに以前よりも患者さんの歯周病の治りが良くなりました。やはり、見えていなかったので歯石がとれていなかったんですね。そのくらい、実は歯石とりは難しいのです。なので、歯周ポケット内の歯石とりは、当医院では全て歯科医師が行います。

以上の事から、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)のメリットを改めてまとめてみたいと思います。

歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)の良い所は、お口の中の状況を動画で患者さんと共有できるところです。例えば、日頃のブラッシング(歯磨き)で歯垢が落とせていない場所の確認や、治療の説明などに、その効果を発揮します。

更には、低侵襲で治療できるところもメリットです。通常、外科手術になるところも、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いることで、切開などの手術無しに治せることも多いからです。

このように、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は、歯周病においても患者さんにとって様々なメリットがあります。広く患者さんに知っていただきたい治療方法です。ぜひ、この動画から、その良さを分かっていただければと思います。