岡野歯科医院
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お悩み相談

【お悩み相談】Q2.歯茎から膿が出てきました。

記事概要

以前より皆さんから頂く歯に関する不安やお悩みについてブログを通じてお答えさせていただけたらと思い、この度「お悩み」と、その解決法の提案についてコラムを書きました。

1回答:ラバーダム防湿、歯科用顕微鏡、CT画像診断が必要。

歯茎より膿が出る状態で、根の治療が必要な病気であれば、根尖病変と思われます。

『根尖病変』は根管(歯の神経の通り道)が細菌が感染し、根の先に膿の袋を持った状態です。

膿が出てくる歯茎を押すと膿があふれ出てくることがありますが、膿の袋を押し出すことはできません。

通常、根尖病変の治療は、まず根管の殺菌・消毒が行われます。この、根管を殺菌・消毒するだけで膿の袋がなくなることが多いのです。根の先にできた膿の90%が根管治療のみで治ると言われています。但し、根管治療を成功に導くためには、するべき重要なポイントがいくつかあります。

まずは、ラバーダム防湿法です。

ゴムのシート(当医院ではゴムアレルギーを考慮し、ラテックスフリーのシートを使っています)に歯を通して、お口と根管を隔絶します。それにより、唾液からの細菌の感染を防ぎながら根管治療をします。感染を防ぐようにして治療しなければ、何度治療しても根管が殺菌・消毒されないからです。

更に、根管は細く暗く複雑に枝わかれしていることも多く、根管の中を明るく照らし拡大視できる治療用顕微鏡を使うべきです。
よく見えない状態では、勘の治療になり根管を殺菌・消毒はできません。

もう一つ必要なのがCT画像診断です。

治療用顕微鏡は、根管が曲がっていった先は見ることができません。CT画像では三次元的に歯を見ることができます。根管が顕微鏡で見えなくなった更に先がどうなっているかを把握することができるので、対処しやすくなります。以上を行わなければ、根管治療の成功率は下がってしまいます。

根管の殺菌・消毒を行っても膿が治らない時は、外科的歯内療法が行われます。

歯肉を切開して膿をとりだします。

外科的歯内療法の長期的予後は、事前に行われている根管治療でいかに根管がきちんと殺菌・消毒されているかに影響されると言われています。
根管治療は、失敗すると抜歯に直結する重要な治療です。可能ならば、根管治療の得意な歯科医院で治療を受けられることをお勧めします。