2017

11/06

予防歯科を突き詰めるなら、歯のクリーニングよりも正しいブラッシング指導と生活習慣指導!

記事概要

『予防歯科』とは何だと思いますか?一般的には、歯医者での定期的な歯の健診と歯のクリーニングだと考える方が多いと思います。しかし、当院の予防歯科はブラッシング指導と生活習慣指導が主軸です。なぜそうしているのか、当院の予防歯科の考え方や方法についてご説明します。

本ブログは、患者様から寄せられたお悩みへの回答を中心に、皆様にぜひ知っていただきたい大切なお話を、できるだけ分かりやすくまとめて記事にしています。

今回は、患者様からのお悩みではなく、よくある歯科治療の現場の問題を例に、特に知っていただきたい事実をご説明いたします。今回のブログは、皆さんも関心の高い『予防歯科』です。虫歯予防や歯周病予防のために、多くの歯科医院では『予防歯科』の重要性を掲げるようになりなした。しかし、その内容の多くが、歯のクリーニングと歯科健診です。当院では、別の視点で予防歯科を突き詰め、より確実な予防方法を実施しています。当院の予防歯科についてご説明いたします。

当院では、歯のクリーニング(P.M.T.C)はやりません。

最近の歯科医療は『予防歯科』が当たり前になってきています。

その多くが、『虫歯や歯周病に罹らないよう、歯科医院で定期的に歯の健診と歯のクリーニング(P.M.T.C)を行いましょう!』というものです。

以前は、当院でも歯のクリーニング(P.M.T.C)を積極的に行っていました。

しかし途中で、やってもやっても、虫歯や歯周病を予防できないことに気づいたのです。

もちろん、歯のクリーニング(P.M.T.C)が無駄だとは言いません。

それなりの効果もあるでしょう。しかし、本質はそこではないのです。

皆さんはなぜ数ヶ月に一度、歯のクリーニングをするために歯科医院に行くのでしょうか。歯石や歯垢を取ってもらうためでしょうか。ということは歯石や歯垢が数ヶ月の間に溜まってしまっているという事ですよね。

つまり、歯のクリーニング(P.M.T.C)をした時には、その時はそれなりに歯垢が落ちて綺麗になったとしても、その日だけなのです。きちんとした歯磨きができていなければ、数ヶ月後の、次のクリーニングの来院までには、また汚れが溜まり、汚れっぱなしの状態です。

つまり、定期的に歯科医院に通い、歯のクリーニング(P.M.T.C)をたまにするより、毎日ブラッシングで歯の周りの歯垢が正確に落とされている方が、確実に予防ができるのです。正しいブラッシングが出来ていなければ、その日は綺麗になったとしても、すぐに汚れて歯垢が溜まる事の繰り返しを止めることはできません。毎日綺麗になっている方が、たまに綺麗になるよりは、確実に予防ができるのは、当たり前と言えば当たり前の話です。

このことに気付いてからは、当院では歯のクリーニング(P.M.T.C)には力を入れなくなりました。論理的に考えて、これが本質だと思いませんか?当院は、このように考えています。

そこで、当院が行っているのが、正しい歯磨き指導(ブラッシング指導)です。

他の歯科医院では、あまりやらないでしょう。一人一人歯の並び方も違うのでブラッシングの道具やテクニックも違い、歯磨き指導(ブラッシング指導)は手間がかかり、それなりに時間を必要とするからです。15分や30分ではできません。

当院では、本質的な予防歯科を実現するために、患者さん個々に合った、正しい歯磨き指導(ブラッシング指導)を中心に、予防歯科を行っています。

同時に必要なのが個々のリスク診断と生活習慣指導。

更に、予防歯科で大切な事があります。

それは『個々のむし歯や歯周病のなり易さの原因の診断』と『生活習慣指導』です。

むし歯や歯周病になるリスクというのは、歯磨きだけが影響しているわけではありません。一人ひとりの個別性も大きく関与します。どれくらい虫歯や歯周病になるリスクが高いかによって異なります。そのリスクについて、下記に挙げてみましょう。

(1)歯肉退縮
歯肉が退縮(後退)することで象牙質が露出すると、むし歯になりやすくなります。エナメル質が、むし歯菌が出す酸によって溶け始めるのがPH5前後、象牙質がPH6前後です。中性がPH7ですから、象牙質はエナメル質より酸に弱いのです。象牙質の露出は、むし歯のリスクを高めます。象牙質の露出の多い高齢者の方は注意が必要です。

(2)唾液の減少
唾液の減少は、酸に脅かされた初期むし歯の再石灰化が進まないため、むし歯になりやすくなります。唾液の減少はむし歯のリスクを高めます。加齢や薬の副作用で気が付かない間に唾液が減っていることがありますので注意が必要です。

(3)ミュータンス菌の感染
ミュータンス菌はグルカンという粘着物質を作り、歯にしっかり付着します。象牙質上に詰め物や被せ物の不適合な繋ぎ目がある場合は、むし歯のリスクが更に高まります。唾液の減少に加え、ミュータンス菌の感染があると、非常にむし歯リスクが高まります。

(4)砂糖の摂取
ミュータンス菌は砂糖を原料にグルカンを作ります。(3)の理由と同じでむし歯リスクが高くなります。ただし、そのミュータンス菌は、砂糖が無くてもグルカンを代謝して酸を出し続けます。

(5)一日の飲食の回数
一日のうちに何回も食べ物や飲み物がお口に入ると、そのたびにむし歯菌が酸を出します。再石灰化が間に合わなくなりむし歯ができます。特に、寝る前の飲食は注意が必要です。

(6)歯列不正
歯列不正があると、歯ブラシで歯垢が落としにくくなるため、むし歯や歯周病のリスクを高めます。歯列矯正は、見た目だけでなく、歯垢を落としやすくするために必要な治療です。

(7)歯ぎしり
歯ぎしりが強いと、詰め物を外そうとする力がかかり接着が剥がれて細菌が入る隙間ができたりします。これもむし歯リスクが高まります。

また、歯ぎしりは歯周病を悪化させることがあります。

これだけ挙げただけでも、いかにお口の中が過酷であるかお分かりいただけるかと思います。もちろん、これらに加え、さらにおひとりお一人の条件は異なります。よって、クリーニング一辺倒な予防プログラムではなく、オーダーメイドの予防が必要なのです。特にブラッシングやフロスのテクニックが重要です。ほとんどの方は、歯ブラシで上手く歯垢が落ちていません。

マイクロスコープ(治療用顕微鏡)は、予防でも大活躍!

当院(岡野歯科医院)では、すべての治療に(高倍率の)歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用しています。

一見、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は治療のみに役立てるものと思われるかもしれませんが、当院では、予防歯科治療にも大活躍します。

まずは、患者さんの口腔内を録画した動画を使って、患者さんに治療内容を説明します。

録画した動画を使って患者さんに治療内容を説明
歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は、動画撮影用のカメラを備え付けることができます。そして、その録画した動画を、その場でモニターに再生して患者さんに見ていただき状況を確認していただく事ができます。

患者さんのお口の中の清掃状況や歯ブラシで落としきれていない歯垢の残存状態、歯石の着いている場所を、きちんと目で確認していただいた上で、歯磨き(ブラッシング)の練習をしていただきます。

歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)は、患者さんと一緒に、お口の中の情報を共有できます。

場合によっては、過去に撮影した動画を再生して見比べることもできます。

毎回、上手くブラッシングできていない部分や問題点を明確にすることができるので、すぐにブラッシングが上達しやすくなります。

岡野歯科医院の定期健診では、患者さんの方からどこが上手くブラッシングできていないかを聞いてくる方が多いです。皆さん、動画で歯垢がちゃんと落とせているかを見たいし、それが目的でいらっしゃるのです。

つまり、クリーニングを主体にした歯科医院への依頼型の予防歯科でなく、ご本人自らのブラッシングが主体となる自主型の予防歯科を実践していることが、他の歯科医院とは異なるところです。

当医院の予防は、毎回ほとんどの方がブラッシングのチェックだけで終わります。やはり、セルフケアが一番確実なのです。

毎日、自分で綺麗にできていれば虫歯リスクは圧倒的に下がりますし、歯科医院で受ける歯のクリーニングも必要なくなります。下手をすると、使用する器具によっては、歯のクリーニング(P.M.T.C)をしてしまったばっかりに、歯や被せ物、詰め物に逆に傷をつけてしまうかもしれません。そしてそこには、歯垢が溜まり始めます。治療が逆に虫歯リスクを高めてしまっては、意味がありません。

これらのことから、当院では、少しでもむし歯と歯周病の予防を確実にするため、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)を用いて、それぞれの患者さんに適したオーダーメイドのブラッシング指導をしています。

最後に、歯磨き指導(ブラッシング指導)をしても、上手く予防できないところについても触れなければなりません。それは、歯と詰め物や、被せ物との繋ぎ目です。

適合とは

繋ぎ目がピッタリ合っていないと、そこには歯垢が溜まります。どんなに歯ブラシが上手でも、そこに溜まる歯垢は落とせません。この部分の治療については、また、別の機会で丁寧にご説明いたします。当院では、歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)で詰め物や被せ物治療しますので、ピッタリ歯に合わせることができます。

当院で治療した歯は適合が良いので、歯ブラシやフロス、歯間ブラシでマージン部の歯垢が落とせます。不適合はむし歯のリスクを高めますので、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。