岡野歯科医院
日本顕微鏡歯科学会認定医顕微鏡歯科治療|根管治療|マイクロスコープ|武蔵小杉駅徒歩1分完全予約制・自由診療TEL.044-711-8241
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お悩み相談

【お悩み相談】Q16.根管治療を行った歯に、しっかりと合うクラウンを作成してくれる歯科医院の見分け方をお教えください。

記事概要

以前より皆さんから頂く歯に関する不安やお悩みについてブログを通じてお答えさせていただけたらと思い、この度「お悩み」と、その解決法の提案についてコラムを書きました。

1適合とは

詰め物や被せ物と歯との繋ぎ目が、どれだけフィットしているかということを『適合性』といいます。

簡単にいうと、適合性とは詰め物や被せ物と歯との繋ぎ目に『段差や隙間があるかないか』のことで、段差や隙間がない状態を適合性が良いと言います。

段差や隙間があると、そこに歯垢(細菌の塊)が溜まりやすくなります。実は、ここに溜まった歯垢は、日常の歯磨きやフロス、歯科医院でのクリーニングでも取ることはできません。
そこに、歯垢が溜まってしまうと、もう落とすことができないのです。

そして、それを放置してしまうと、むし歯や歯周病の原因となってしまいます。

Photo.適合性とは
適合性とは

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2適合性の良いクラウンは虫歯の再発リスクを回避できます

通常、根管治療を行なった歯は、最終的に詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で修復します。
そのため、適合の良い(フィット感の良い)詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で修復すれば、根管治療後のトラブル=再発を回避しやすくなります。

根管治療をした歯は、既に大きく欠損していることが多いです。
適合性が悪い被せ物をすると、その隙間から細菌が入り込み、むし歯が再発しやすくなります。根管治療をした歯は、もともと大きく欠損していることが多いです。その状態で虫歯が再発すれば、さらに削られますので残っている歯がさらに少なくなることになります。

場合によっては、もう使い物にならないくらいに歯が欠損してしまいます。
そうなると、『抜歯』の転機に至ってしまうことも多いです。

Photo.

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3適合性の良いクラウンは再根管治療リスクを下げる

また、根管治療を行なった歯に適合性の悪い(フィット感の悪い)詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を入れてしまうと根管治療が『失敗するリスク』が高まります。

なぜなら適合性の悪い繋ぎ目から、時間をかけて細菌が侵入し、根管が再感染を起こし、膿んできてしまうことがあるのです。これをコロナルリーケージと言います。

以上のことからも、根管治療後のトラブルを発生させないためにも、根管治療後の歯には、適合性の良い詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を入れることが必要なのです。

4適合性の良いクラウンを入れるのは至難の技

ただし、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)の適合の精度(適合性)を上げることは簡単ではありません。

とても高度な技術が必要です。

歯科医師の技術の高さはもちろんのこと、詰め物や被せ物を作製する歯科技工士にも高い技術が要求されます。

ご質問にある、適合性の良い詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を入れてくれる歯科医院の見分けかたは、実はとても難しいです。

『適合性の良い詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を入れてくれますか?』と、歯科医院で聞いたところで、『はい。適合の良い詰め物や被せ物を入れています。』と歯科医師に答えられたら、患者さんはそれを信じるしかないからです。

要は、言葉だとどうとでも言えるからです。

ここからは私見ですが、一番確実な見分け方は、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を入れた時に、患部を画像で(しかも高倍率で)見せてもらえる歯科医院を選ぶのが良いと思います。

実際に、どれくらい適合しているか、その状態をモニターに映してその場で見せてくれる歯科医院があります。
当然のことながら、大きく拡大して見せなければ、適合の状態を証明することができません。

それができる歯科医院は、かなり適合の技術に自信を持っている歯科医院です。

静止画でも動画でも良いと思いますので、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)と歯との繋ぎ目を大きく拡大して見せてくれる歯科医院をお勧めしたいと思います。

ちなみに当医院では、被せ物の治療も、仮歯作成から型採りまで全ての工程で治療用顕微鏡を使い治療をしていますので、全ての治療風景を動画で記録し、最終的にその被せ物の適合状態を患者さんに見ていただいています。