歯根破折は、特徴的な所見がCT画像に出ることが多いです。歯根の破折部に沿って歯槽骨の吸収が起こり、CT画像で歯根の周りに長い影が出ます。歯根破折は抜歯になってしまうことが多いので、深刻な問題です。
患歯は、右上の第二小臼歯です。CT画像で歯根の横に長い影がみられました。長い歯槽骨の吸収像の原因としては、根尖病変、歯周病、歯根破折、セメント質剥離等が主に考えられます。特に歯根破折は抜歯に直結しますが、被せ物を外したところ、歯髄（歯の神経）はもう死んでおり、根管の中を歯科医用顕微鏡で観察した結果、歯根破折はみられませんでした。
CT画像で歯根の横の長い影は、根尖病変の可能性が高いと判断し精密根管を行ったところ、膿の影の消失と歯槽骨の再生を認めました。

初診時の第二小臼歯のＣＴ画像です。

赤い矢印の先に長い影がみられます。長い影は、歯根破折（ヒビ）の可能性があります。

上の画像は、根管治療後のレントゲン画像です。
歯科用顕微鏡で根管内を観察したところ、歯根破折（ヒビ）は確認できませんでしたので、精密根管治療を行いました。

根管治療6ヶ月後のCT画像です。根の横にみられた長い影が消失し、歯槽骨が再生しています。

最初にみられた長い影は、歯根破折ではなく根尖病変が原因だったケースです。歯根破折が疑えるようなケースでも、歯科用顕微鏡で精密にチェックすることが重要です。そうすれば、誤診せず抜歯を免れる可能性があります。

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日本では根管治療の成功率が30～50％とされる中、

当院の根管治療の成功率は98.7%・・・・・・・、
膿が再発するケースはほぼ100%ありません。

日本顕微鏡歯科学会認定 歯科医岡野 眞

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